自慢のMacにベンチャー企業のロゴステッカーを貼りまくる青年
独断と偏見に満ちた意見だけれど、
『鞄から取り出すMac Book。そこにはベンチャー企業のステッカーをこれでもかと貼られている。そのMacの持ち主は将来同じような起業家には決してなれない』
僕が実際に見たことのある青年で、特にこれはやばいなと思ったケースは、自分のMacbookにベンチャーのステッカーを貼り付けて嬉しそうにしているだけでは留まらなかった。一応彼自信も創業はしていたのだが、創業したてのGWを自身の会社のロゴステッカーを作ることだけに費やしていた。その会社は創業1期目の第1四半期を迎えることもなく消えていったが。
ロゴステッカーというと、バンドをやっている人達なんかが物販とかで売っているものが一番良く見かけると思う。これと同じようなものを、特にベンチャー企業が作成して配ったりしている。知らない人が聞いたらおかしな話なのだが、どの企業のステッカーを貼っているのかっていうのが、非常に些末でどうでもよく実際何の価値もないのだが、彼らにとってみればちょっとしたステータスなのだ。
この手のロゴステッカーは一般に販売されているわけではなく、関係者が配っているもの。特にベンチャー企業の場合は、代表がどこかでピッチをしつつ聴衆に配ったりする。だから、その企業のロゴステッカーを持っているということは、その社長と名刺交換ついでとかそんな感じで何十秒かはマンツーマンで話をしたということを暗に示している。
彼らのMacBookに貼られているロゴステッカーとは、「俺、〜社の社長に会ったんだぜ。」ということを周囲にアピールするという機能がある。だから実際に「いいな〜、◯◯社のステッカーじゃん!!」みたいな会話まで聞こえてくる。取引も所属すらしていない会社のロゴステッカーなんぞをペタペタと私物に貼る、しかもベンチャー企業ばっか。その所有者も起業とかに関心があり活動しているといったオーラを醸し出せるわけだ。実際に口では「起業する」と言う人は多い。
しかし、そもそもなんで企業はステッカーなんか配るのだろう?
どう考えたって広報だよね。
30秒、目をキラキラ輝かせたわけのわからない素性も知れない学生や若者に対してにこやかに対応し、二束三文のステッカーを渡す。渡された側は嬉々としてそれを私物に貼り付けて、TwitterやFacebookに写真をアップする。顧客や優秀なメンバーにはならなくとも、大したコストもかけずに自社のロゴを他の人の目につく所に拡散してくれる人達。
そんな誰も彼ものピッチを聞きに行って、何十秒かの社交辞令を聞かせてもらってる暇があるのならば、どこかの企業で5万でもいいから売上を取りに行く。あるいは自身のアイデアのプロトタイプでも作ってればいいのにさ、と思わずにはいられない。ビジネスアイデアコレクターにはなれても、ビジネスアイデアを生み出す人間にはなれないよ、決して。
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