funny rain, sweet breathing

知ってるか?世の中って思った通りにしかならないんだぜ?

僕らはもう、安心してファンを続けていいんだ。The Yellow Monkeyのドキュメント映画『オトトキ』を観てきた

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The Yellow Monkeyを追ったドキュメント物としては2作目なのかな。


再結成の2年前くらいだったかと思うけど。

こちらは、色々伝説のあるPUNCH DRUNKARD TOURの舞台裏映像と、現在の"元"メンバー達がボーリング場で無邪気に戯れている映像から構成されている。

パンドラという作品は、非常に過酷でその後のThe Yellow Monkeyの行く末に大きく影響を与えたと言われているツアーそのものよりも、「この人ら解散してもう10年とか経ってるのに、下手な現役バンドよりも仲いいしメンバー愛に溢れているよなぁ。」っていう現在の4人の姿が印象的だった。

個人的にはThe Yellow Monkeyは"復活してくれたら勿論嬉しいけど、でもそうでなくてもずっと好きだしこのままならこのままでも"っていうバンドであった。解散後は。いちファンとして「そこまで仲いいんだしもう再結成しちゃえよ―」って笑いながら突っ込める類の感情。

そりゃ再結成の報を聞いた時は家で一人ウルウルしていたし、かつて東京ドームで行われたThe Yellow Monkeyの"葬式"はその場に居合わせて、そこで聴いたJAMはその映像がぼんやりと涙でボヤケている。

でも、そう、イエモンて復活しようとしまいとずっと愛せてしまうバンド、そしてそのメンバーなんだよな。

ってわけで、今回11月末くらいまで上映されていた『オトトキ』。

再結成後初のツアー、THE YELLOW MONKEY SUPER JAPAN TOURの舞台裏を追った作品。THE YELLOW MONKEY SUPERなのかSUPER JAPAN TOURなのかはわからないが、とりあえず言えることはもうtheyellowmonkey.comとかのドメインは取られちゃってて苦し紛れな事情もあったのかもしれないと邪推している。

この作品が面白かったのは、けっこう淡々とした感じで進んでいくところ。菊池兄弟の父君が亡くなったことも、CCDJで吉井和哉の声が出なくなったことも、"ドラマ的"に捉えてうるうるする類の人間はいるが、作品そのものはそういう事象を"ドラマ"には仕立てていない。偉い(上から目線)。

あったことを、繋いでいっている。そして挟まれる"現在"は渋谷la mamaでの無観客ライブ。ドームクラスのモンスターバンドでありながら、小さな小汚い(そんなもんだけどこれくらいの箱って)ライブハウスでも普通に馴染んでいるイエモン

いつものことだけど、ヒーセはみんなの兄貴やね。でもやっぱ細かい仕草とかはオネェなんだよなぁ。あとここまでアニーが色々話しているのってなかったかも勝手な印象。吉井は「ヒーセのベースは良いところも弱点も知り尽くしている」と話していたが、きっと全メンバーに対してそうだよね。エマちゃんは、あのほんわかな感じで、演奏も飄々と格好良くプレイするって印象だったんだけど、すごい感情を乗っけたプレイする(こともあるorようになった)んだなーと認識が変わった。

なんにせよ、製作者が誰で何を主題にしようとも、この4人を追ったらそこに見えてくるのはメンバー愛。ここまで巡り合わせという奇跡を引き寄せ、モノにした人ってそうそういないんじゃないか。

だから、そういうバンドだからこそ、復活後のツアーで吉井和哉がMCで言っていた「The Yellow Monkeyは解散しない」っていう言葉に安心を覚えたのだろう。そうなるために解散は必要だったとかそういう過去に対する議論なんて無粋で、ただ、これからもイエモンは在り続け進んでいく、それが最高にファンとしては嬉しいのだから。

そういえば、この作品の主題歌の『Horizon』て、エマちゃん作詞作曲なのなー。聞いた感じ吉井和哉のソロ曲みたいだったのでびっくり。


Horizon

Horizon