物語を綴るのはいつだってテキストだ〜群馬Fantasy、そして懐かしのCardWirth
群馬ファンタジーという、名前からしたらクソゲーだが、女神転生やダークソウルのような死にゲーが好きなら気にいるかもしれないスマホゲーがある。
タイトルに"マッキンゼー"とか"ハーバード"とか"群馬"って付けると人々が飛びつくこの風潮なんなの? だったら『東大生が教える最高のウンコのきばり方』とかあったら当然みんなそれに右へ倣えするよな??
— 穴あきグラタン (@mercy298) 2017年9月22日
作者が言っているがTRPGやゲームブックのようなテイストで、演出のコアは映像や音楽ではなくテキストである。
プレーヤーは基本的には与えられた選択肢を選んでいくことで物語を進めていく。"舞台が群馬である"ということで(?)ゲームの難易度は高く、何らかの選択肢を選んだ結果が頻繁に理不尽で、そして良くプレーヤーは死ぬ。確実な何かはなく、ダイスで話が進むTRPGのごとく、全ては確率で決まる。回復アイテムである焼きまんじゅうが欲しくとも、焼きまんじゅう売りに出会えるまで街を散策し続け、たまに遭遇する歯向かうとどうやっても倒せないオバちゃんから逃げ、ダンジョンでは理不尽にダメージを受けたりステータス低下を被りながら先に進む選択肢が出るまで探索を続けないといけない。
それはいいんだけど、このゲームでゲームにプレーヤーを没入させる要素はこの"群馬"を的確に描写し、理不尽なる展開を伝えるテキストである。おぞましき未開の地群馬を描く精巧なCGやアニメーションがそこにあるわけではなく、全キャラフルボイスとかそういう要素もない。だが、人々は己の小さなスマホの画面の先に未開の地群馬を思い描き、己の分身たる不条理な運命を背負ったプレーヤーの姿をそこに投影する。
今でも細々とユーザーがいるようだが、Windows機用のゲームでCardWirthというのがあった。自分が遊んでいたのは15年以上前だろうか。一応ファンタジー系王道な世界観がベースとなっている。これもTRPGのようなノリのゲーム(正確にはゲームプレーヤーで、シナリオ自体は自分で作ったり他の人が作ったものをDLしてきて読み込んでプレイする)で、群馬ファンタジーが選択肢を選ぶ部分がカードの選択という形になっていると適当に言えばなる。あんま覚えてないけど。
戦闘も探索も買い物も一貫してカードの選択というスタイルに統一されているのがとてもわかりやすくていい。あんま覚えてないけど。
こちらもやはり、ゲームに没入させる要素はテキストだ。素人が作成したシナリオそのものの出来は数値的なバランスだけでなく、シナリオを綴るテキストの出来に大きく依存するなと当時感じた。
高度な画像処理とか無理な時代の作品であるが、今、スマホゲーという特性はあれど群馬ファンタジーが面白いのだからやはりテキストすげーってなるよね。そして、自分のお絵かき系スキルの無さは別として、流行りに乗ってUnreal EngineとかUnity使って3Dバリバリのゲームを作るよりも、もし機会があるならばこの手のテキスト主体で綴るようなゲームが作ってみたい。それこそ古めのRPGツクールとかでもいいね。
ちなみに群馬ファンタジーは吹き割りの滝がクリアできない。