funny rain, sweet breathing

知ってるか?世の中って思った通りにしかならないんだぜ?

毎年起こる新しいiPhoneへの不満は、自分自身の想像力の限界を露呈してしまっているだけじゃない?

Technology

どうもすいません、新しいiPhoneよりも裏番組(ではないが)でPS4の薄型化と値下がりの方に興奮していました。PS4 Proも気になるけどVR系を機材揃えてまでやるかと言われると、自分のお金の配分としてそうそうやらないだろうなって思っている。

ペルソナ5やりたい。

さて、毎年のボジョレー・ヌーヴォーのレビューと同じくらいに笑いのネタとして出てくる「今回のiPhoneつまんねー」「Appleもうダメだな」系の話。今回は日経のまるで中身の無い、社名を変えても使えるんじゃないかっていう幼稚な記事に爆笑した記憶がありますが。

iPhoneという存在の役割は

iPhoneが初めて登場した時、スティーブ・ジョブズは「俺たち、電話の再発明しちゃったぜウェーイ」と言ってかの端末を取り出した。そして次の瞬間、みずみずしい赤燈の宝石オ・レンジを讃えるカリフォルニアシティ、その無限回帰第壱界に拠点を構える密教集団の秘儀"ゲンジツワイキョククウカン:ドヤァ"を発動させた。そしてそれは全世界を繋ぐ光子トンネル経由であらゆるところに伝播した。

そう、iPhoneは電話の再発明という任務を背負って全世界に送り届けられたのだ。

結果はどうだろうか。

「こんな画面だけの端末売れるわけがない。」と言い切ったコンサルだかなんだかな人は自身の黒歴史を一つ増やし(しれっとしてるだろうけど)、電車の中は画面を指でナデナデする人が8〜9割の光景が生まれ、フェスの会場では人の頭で見えないステージを自分より前にいる人の撮影用に掲げる絶賛迷惑行為な画面越しに観覧し、音楽も本も店舗に行かずに購入して楽しんで、ECすらパソコンに向かわず購買を行って、ついでにその場で私物を写真で撮って次の瞬間には誰もが持てるヴァーチャルな売り場に陳列させている。

なんだよもう電話じゃねーじゃん。

いや、電話という部分に限って言えば"電話で電話しなくても良くなった"と言えばいいのか。

こういう風になるまでは時間的な幅はあったけど、"再発明"という役割は結果として成し遂げられたわけだ。

任務完了、その次は?

個人的には人つのプロダクトは何か一つの役割を成し遂げたらそれでとりあえずはいいと思う。そういう点でiPhoneは合格だ。

じゃあ次にiPhoneは何をしたらいんだろう。

それは緩やかに当たり前となっていくことなんじゃないのかな。革新を起こし続けるのではなく、自らが生み出した最初の変化の結果を誰に取ってもより当たり前のものにしていく。初々しくてぎこちなくて見てるこっちが恥ずかしくなるような新婚さんカップルが、二人が当たり前で二人でいることが自然で二人が人生の単位となっていくように。

こういう時に多いな変化なんていらない。ちょっとずつ、"それがある生活"がより"それと共にあるように"変わっていけばいい。ならば大きな変化なんていらないし、こういう視点で見てれば毎年のiPhoneのアップデートは至極まともでいいものだと感じている。

"体験の変化"やら"革新"を求めてやまない病気にかかってる人たちの生み出す袋小路

最初はドキドキビクビクとガールズバーに行っていた非リア充な童貞が、だんだんと風俗に走り最強の素人として「もっと刺激を!!もっとあんなサービスやこんなサービスを!!」と大魔導士への道を歩んでいるのと大差ないように僕の目には映る。

あるいは、かつて車が発明される以前に馬が人々の足となっていた時代。当時の人たちは"もっと早く走る馬"を求めた・・・そんなネタがそこらの有象無象のマーケティング系の本に書かれているが、今の人達は"もっとiPhoneみたいなiPhone"を求めているだけなんじゃないかと。過去の話として知られていることを、結局繰り返す。

この「もっとXXXみたいなXXX」を求める心理って少なくはないようで、ミュージシャンに対して「私◯◯◯って曲が好きなんです!!また◯◯◯みたいな曲出してください!!」みたいな事をいう人ってちょくちょくいるのよ。すげーのは、「この前のツアーの時の髪型素敵だったんで次もそれにしてください」みたいなの。

◯◯◯みたいな曲は◯◯◯って曲がそもそもあるんだからええやろと。

何であれ"何かを何かたらしめる要素"ってのは普遍なものとしてあっていいんだけど、そういう本質的なところじゃない部分での普遍性を求める行為は袋小路まっしぐらだ。

"もっとiPhoneみたいなiPhone"を求めて騒ぐ人たちは多分自分の中に、その姿を多分持っていないでしょ。"もっと革新的な体験の変化"を求めて騒ぐ人たちは、多分自分の中に"革新的"な"変化"ってつまりなんだっていうアイデアは無いし、自ら持とうともしないでしょ。

あなたは今あるものから未来を見出せますか?

そもそも受け身で変えてもらうことだけ求めて自らは何もしない人で文句垂れる人は問題外。与えてもらったプロダクトやサービス、考えが未来を作るわけでは無い。そうでないと何もできないんなら、黙って今あるものを受け入れたらそれで十分なんだし、ブーブーあれがないこれがないって騒ぐのって格好悪い。

何か新しい技術とかアイデアが小さな種として生まれた時に、「これがこうなったらこういうことができるよなぁ。」って思ってそれは発展していく。僕らが当たり前に享受している技術の恩恵っていうのは、個の小さな種に人の想像力という栄養を与えて育てたものから来ているのだ。

だけどこれ、提供する側だけが持てばいいものではない。誰かが育てたものを、「あ、これこういう使い方できるじゃん」「こういう機能追加されたんなら、こういうスタイルで〜〜〜ができるね」と更に育てるのは受け手の想像力だ。「あ、自分の生み出した◯◯◯って、こういう応用をみんなが考え出したのか」とそこでバトンがまた戻ってくる。

技術系のスタートアップやっている知り合いと話していたり、新しい技術の話を教えてもらうと「え、それってもしかしてこういうことできるんじゃね?でもって世の中こういう風に変わるよね?ね?」と現実的な技術の進歩スピードとか、当人の考えるビジネスモデルとか無視して勝手にペラペラ思いついたことをまくしたてるように話すのが個人的には好きだ。たとえ荒唐無稽な内容であっても、ためらわずわちゃくちゃとね。

それを実現して欲しいというわけではないけれど、自分の想像力のメンテナンスとしては有効な手だと思っている。まだ見ぬものに想像を張り巡らすっていうのは、既存の目の前に置かれて自分的に当たり前になってしまっているものに対して未来を想像するよりも楽だからね。"つまんねー"アップデートの新モデルであっても、それでできることやできそうなことを想像して自ら近づいてみるっていうのの第一歩。

個人的には

iPhone7、普通にいいと思いますけどね。

AirPodsはこれから(特にデザイン的に)洗練されてくか、他社のも出てきたらとても面白いと思う。っていうかイヤホン部分とケーブルが分離できる高級めのイヤホンにケーブルの代わりにつける無線ユニットだけの商品とかどこか出しませんかね? そうしたら今の愛用イヤホンそのまま無線で使えるんだけど。

なのでとりあえず頑張ってお金貯めてペルソナ5とプレステ4を買おうと思います。

ペルソナ5 [PS4]

ペルソナ5 [PS4]

PlayStation 4 ジェット・ブラック (CUH-1200AB01)

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