読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

funny rain, sweet breathing

なんてったって社会不適合者物語

ビジコン優勝学生の作った会社が、イマイチうまくいかない5つの理由

※追記あり

ネット上で検索すると大量に出てくるビジネスプランコンテストや、起業系セミナー。

学生・20代社会人で起業したい人のビジコン、セミナー情報まとめ

これまでの"大学を卒業して会社に入り、定年まで勤めあげる"スタイルの崩壊と共に、これからも盛んになっていくであろう。

若手起業家を中心としたクラスタでは盛り上がっている会社や起業家も、それ以外の人間から見たら正直「?」なケースは少なくない。もちろん、自らで会社を興して事業を進めていくという姿勢は素晴らしいものではあるが。

ウォッチしていれば気づくのだが、結局のところ"起業した""Webサービスをローンチした"などの起点しか語られていないのである。そこからの発展や継続などは「変化に柔軟に対応する」といった綺麗事でごまかしたまま思考停止している例は尽きない。

そして、うまくいかない。
永遠に「失敗こそが最大の学びの場」と言い続ける。

ここでは彼らがうまくいかない理由を5つ挙げようと思う。
(とりあえず思いついたもので、キリがよかったので。)

ビジネスに興味のある学生達→法人化というフェーズで考えてみた。

1.ビジコンで評価されたプランだけで、会社としても事業を続けていけると思っている

ビジコンでの評価と、実際にビジネスとしてやっていけるかどうかは別物である。たとえメインの事業案があるにしても、それを育てていくにはコストも時間もかかるわけで、その間どうやって食べていくかを考えていないケースを多数見かける。

どうも学生には運転資金という概念が理解できないようだ。

それであわててWeb開発やシステム開発の受託を始めるわけだが、気づいたらそちらがメインになってしまう。とはいえ同じような企業は世の中に山ほどいるわけで、ワンオブゼムになるのは時間の問題。ろくにコネも実績もないワンオブゼムの企業に数年後の未来すら存在しないのは当然の帰結である。

大切なのは本事業をいかに育てていけるか、そのために"本事業案の理念に沿った副業"を生み出せるか。実はこちらのほうが大切であったりもする。

2.「いいね!」を、仕事が降ってきたサインだと思う

瞳を輝かせた学生が熱心に自分の事業案を語れば、高確率で大人は称賛してくれるだろう。
ついでに「今度一緒にこういうことやらない?」みたいな"リップサービス"も。

ただまぁ学生は喜んでしまう。「〜さんがこういうこと言ってくれたんです!!」と。

当たり前だがその程度でお金は入ってこない。

具体的に詳細を詰めて、自分達が提供できるもので相手が首を縦にふるような提案をしたのか?
契約は結んだのか?スケジュールは?コストは?

3.売上=手元に残る金額と思う

学生起業となると、基本的にWebサービススマホアプリが多いので、在庫リスクは持たない。この事がより問題を大きくしてしまう。開発だって趣味の延長でやってしまうケースは多いだろう。

Webサービスで課金を付ければ、手数料やレンタルサーバー代を引いたものが手元に残ると思ってしまう。

社員一人雇うコストってどれくらいか知っているのだろうか?
趣味の延長で開発したプロダクト、工数は適切か?
ステークホルダ間でお金の移動はないのか?
本当に自社のスタンドアローンでやっているのか?

ビジネスプランコンテストに出されるアイデアで、
ステークホルダまで考えている案というのはあまり見かけなかったりする。

4.まずはどこからか出資してもらうものだと思う

スモールスタートを心がけないと、お金はいくらでも飛んでいく。事業を走らせるためにはお金は必要だが、時に自分達では合理的に回しきれないお金を手にしてしまうこともある。このお金は遅かれ早かれ"オシャレでクリエイティブなオフィス(家賃高い)"や”ゴージャスな名刺”、"MacBook ProCinema Display"に変わっていくのである。

何がいけないって? これらは売上にはつながらず、創業者の満足のために消費されるだけだからだ。

まずは自分で貯める、お金を借りるなら家族・親戚・友人から。
見栄を張るために高額の資本金とオフィスを用意する必要など無い。

5.学生集団から法人へ意識の切り替えができない

学生を続けながら起業、創業者は退学したが残りのメンバーは学生として空き時間でのコミットを継続するパターンなんかが危険。創業者以外は、就職活動を行なっていたりもする。本気で自分達の事業でやっていきたければ、24時間365日関わるくらいの覚悟は必要である。

期末に純利益の額を見てホッとするために、残りの364日を汗水たらして泥のように働く。サークルの延長にとらえている人間には、この感覚が理解できない。そんなメンバーのいるスタートアップに果たして、必要なスピード感と小回りがどれくらいきくのか?

というか、本気で事業やりたかったら学校なんか辞めるんだ。
何足もワラジを履く時点で本気ではない。

「でも学校とかからも得るものがあるので・・・」

違う、自分が事業を進めていく上で得るものが全てだ。
事業を起こすのなら、その会社=自分くらいの執念が不可欠。


実際起業するにあたって、いきなり法人化する必要はない。年間所得が700万にも満たないのであれば、税制的に個人事業主としてやっていく方がいい。個人事業主からの"法人成り"をやれば消費税の面でも有利だ。いきなり法人化してしまうと、大多数の学生が経理でドツボにはまる。時間をかければできるのだろうが、残念ながらその時間はスタートアップにとって無駄以外の何物でもない。それに売上がなくても税金は取られる。

"経営者"という肩書き欲しさという人間は、遅かれ早かれプライドで墓穴を掘る。

ついでに周りに法人化をしきりに薦めてくる人間がいたら、一体誰を得させるための法人化なのかを冷静に考える時間が必要だ。

関連記事
ガイ・カワサキが語る、アントレプレナーが犯す10の過ち

自己資金50万円で、資本金300万円の会社を作る

※2016/8/25追記
ビジネスプランを考えちゃう系の学生の活動を久々に見る機会があったんだけど、年々のがっかり具合は上昇している気がする。

ビジコンとか開催する側は、プロトタイプ持参が最低ラインくらいに厳しくやらないと、小学生の書く"将来の夢"的な作文と大差ないことを平気でやる大学生っていう構図しか生まれないんじゃないかな。

プロトタイプ持参が最低、それでもダメな奴はそこで終わる。何故ならばコンテストというくびきが無くなったら"何にもましてそれをやらなくてはいけない、やり続けたい"と思って事業を進める気概の人間がほとんどいないから。


起業のファイナンス ベンチャーにとって一番大切なこと

起業のファイナンス ベンチャーにとって一番大切なこと

広告を非表示にする