【ロードバイク】『CERAMIC SPEED UFO Drip』は性能やコスト含めてレース用チェーンの最適解となるか

というわけで最近買った自転車用おもしろグッズ。

最近発売された?『CERAMIC SPEED UFO Drip』でございます。

CERAMIC SPEED (セラミックスピード) UFO Drip チェーン コーティング

レース用のチェーンというと、今やアマチュア界に限って見てみると"ザイコーチェーン"という、とにかく施工が面倒くさい『Molten Speed Wax』をザイコーさんて方が個人で(?)加工してくれて売っているチェーンがある。あとは、WiggleのプライベートブランドであるPrimeのカーボンホイールの話題を出すと何故か怒るらしい会社が販売しているチェーン。

SLFチェーン（デュラエース１１ｓベース　クイックリンク付き）

Molten Speed Wax, 1lb Bag by Molten [並行輸入品]

上記のようなものは所謂チェーンルブというような油ではなく、なんか特殊な別の物。ワックス加工だったりなんだりっていうのでチェーンの駆動抵抗を低くするスタイルである。

『CERAMIC SPEED UFO Drip』もルブではない。

CERAMIC SPEEDだとUFOチェーンていう2万くらいする加工済みチェーンを販売しているが、高いしあまり長距離はその加工がもたないらしい。だから完全にプロのレース用だね。ランニングコストが一般人向けではない。

『CERAMIC SPEED UFO Drip』は、そんな加工済みチェーン程の性能を出せるのかっていうとそこは不明なんだけど、良いコンディションのチェーンをそこそこのランニングコストで用意するっていう点でけっこう使えるんじゃないかと思う。綺麗なチェーンに使い続けていれば、洗浄は不要とのことで。チェーンの洗浄と注油ってちゃんとやると地味に大変だし、そこの時間的コストを金で解決できるならそれは良いことなんじゃないだろうか。

とても高級感のある箱に入って販売されていて、中のボトル自体もそんじょそこらのルブじゃないわよ的なオーラを出しまくっている。中身は白濁した液体。

これをチェーンに塗布するのだが、説明書には

• チェーンはまずめっちゃ綺麗にしろや
• 綺麗にしないと性能発揮しきれないよ
• 外側だけでなく中の方も綺麗にな、パーツクリーナーで洗浄して最後に高圧の水で洗い流すといいぞ
• ちょっと汚れてるくらいでも大丈夫だけど汚れがそのうち浮いてくるよ
• チェーン自体も室温も10℃以下になったらダメよ

とか書かれている。

とりあえず試しに使ってみるということで(しかもそもそも高圧洗浄機なんか持ってねーよ)、春先くらいに変えるつもりで使っている微妙に汚れが溜まってて微妙に伸びている状態のチェーンで試す。

一応洗浄は無水で王道の方法、つまりWAKOS様々法。

WAKO'S(ワコーズ) フォーミングマルチクリーナー + チェーンクリーナー セット

チェーンクリーナーつけてゴシゴシして、最後にマルチクリーナーで更に洗い流す。

そして乾燥した所で塗布開始。

『CERAMIC SPEED UFO Drip』自体はボトルから出るまではとてもサラサラな液体で、しかも開封したてで量が多いから勢い良く飛び出てくる。白濁した液体がドピュドピュとね。これ、気をつけないとこの高い液体が勿体無いし、フレームに飛び散って汚れるから。

おすすめの方法はスプロケットに乗ってる位置にどんどん垂らしてチェーンを回していくという方法のようだが、ホイール外してメンテしてたので「このやり方でもいいよ」と書かれている、普通にルブを差すようにチェーンの1コマずつ垂らしていく方法を採った。

滴下していくと直ぐに固まりだして白っぽくなっていく。

恐らくワックスというわけではないが、ある程度固まってチェーンの金属表面を覆う物質がそのままだと塗布できないから揮発性の高い溶媒に溶いているのだろう。微妙に独特な臭いがした。

外側が白くなってるところは『CERAMIC SPEED UFO Drip』が垂れた箇所。オススメの方法で多めに塗布した場合は外側含めチェーン全体が綺麗に覆われるのだろうと思われる。性能的なものに加え汚れを防ぐ目的でもそれがベストなんだろうな。

塗り終わったら1晩放置。

昨夜仕込んで、今日外を走ってみた。

感想だが、とても良い。なんだろう、この超回ってる感。Suginoの鉄球BBからWishboneのBBに変更した時に感じたヌルヌル回る感くらい感心した。

普段は面倒くさくてAZの極圧置換剤塗って終わりにしている。下手なルブ使うよりは楽だし性能悪くないしランニングコストが良い。　　

AZ(エーゼット) CKM-001 超極圧・水置換スプレー 420ml (超極圧潤滑剤/極圧潤滑/超浸透防錆潤滑剤・多目的・多用途・浸透防錆潤滑オイルスプレー) AZ610

レース用には、WiggleのプライベートブランドであるPrimeのカーボンホイールの(特にリム重量の)話題を出すと怒り出すらしい会社の黒いオイルを使っていた。

Black オイル

チェーンルブはそんなわけで試したものが非常に少ないのだが、これはこれで極圧置換スプレーよりちゃんと回ってくれるし、耐水性は掃除の時にムカつく程度にはある。ただ、とても黒いし普通のチェーンルブよりもチェーンとかチェーンに当たってしまった足とか服の汚れ方が気になるけれど。

『CERAMIC SPEED UFO Drip』はそんなチェーン用グッズ達を軽く超えていた気がする。

それなりに使い込んだチェーンで、しかも説明書通り完全に綺麗に洗浄できたわけではないチェーンであってもかなり軽くなった。気のせいかもしれないがギアチェンジが少し軽快になった気がする。気のせいかもしれないが。

耐水性が気になるところではあるが、自分が濡れたくないし、洗車が面倒なので試す機会はあまり無いだろう。きっとそのうち誰かが試してくれるはず。

さて、この『CERAMIC SPEED UFO Drip』、1回の塗布で200kmは性能が持つらしい。このボトル1本でどれくらい持つのかわからないが、例えば1回あたり10ml使ってるとすると容量180mlなので3600km。感覚的に20mlは使っている気はないが一桁mlでは無いと思う。そうなると1本で3000km。およそ8000円で3000kmだ。

3000kmというとガチめに走っている人なら交換時期である。

アルテグラグレードの11速チェーンなら3000円くらい、それと合わせて『CERAMIC SPEED UFO Drip』を購入して合計¥10000〜¥12000のレンジだろうか。

今Facebookでザイコーチェーンを調べてみた所、

• デュラエースチェーンに2回分の再加工とその送料込みで¥6500
• 1回の加工で500km〜1000km
• 耐水性能は低いよ(錆びるよ)
• 発送や加工絡みのリードタイム1週間はみといて
• 他のルブとか使わないでね

みたい。ざっくり3000km¥6500と考える。再加工依頼している間は他のチェーンが必要だし、チェーンの付け外しが発生するのでミッシングリンクを購入する必要がある。KMCのミッシングリンクがAmazonで2個¥1000弱。

『CERAMIC SPEED UFO Drip』と新品チェーンの組み合わせで運用するよりかは安く済むかもしれないが、1回の加工辺り500kmで終わってしまうならその限りではない。あとはこちらから発送→加工→再発送→受取りという行程にかかる時間をどう考えるか。性能はザイコーチェーンの方は試したことが無いので述べることはできないが、数値として現れるものや個人の好みなんかもあるのでこれはこれで別パラメータとして検討する必要はあるだろう。

自分は諸々面倒なので、そしてロードバイクは2台運用なので、レース用のTIME ZXRSは『CERAMIC SPEED UFO Drip』運用して、ローラーやファンライド用のDE ROSA IDOLは普通にこれまで通りの極圧置換スプレーで対応しようかなと思っている。ZXRSもなんやかんやでレース以外の練習で乗るから、レース前以外は普通のルブなり何なりでっていうのもありかなと思うんだけど、『CERAMIC SPEED UFO Drip』を塗布する前工程の洗浄がちゃんとやるなら面倒くさいかなという気がしなくもない。とはいえ相対評価でチェーン洗浄が不十分でも効果は感じられているので今のところは若干ケチるレース前だけこれを塗るスタイルでもいいかな、とも思う。

ところで新品チェーンてちゃんとバッチリ油に漬けられた状態で売られているわけだけど、こいつらも最初に綺麗に落とさなあかんのだろうか。

通常なら僕はこの油は落とさない人なんだよね。油の性能云々よりも、チェーンの各コマの隅々までちゃんと綺麗なオイルが行き渡っているという状態が自分でメンテナンスやってたら大変だから。

何にせよ、快適に走るための投資として『CERAMIC SPEED UFO Drip』はかなりアリだと思うので、フレームとかホイールへの巨額投資や狂ったような軽量化ではない部分でのグレードアップとしてオススメ。騙されたと思って一度試してくだちぃ。

CERAMIC SPEED (セラミックスピード) UFO Drip チェーン コーティング