funny rain, sweet breathing

知ってるか?世の中って思った通りにしかならないんだぜ?

『茄子 アンダルシアの夏』〜多くは語らなくていい、ただペダルを回し続け、そして遠くへ行く。それとあと『はやめブラストギア』3巻

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ようやく買った新刊。

今回は和田峠彩湖が舞台。和田峠は"登山"で通った。自分が歩いてる時に確かに自転車で登ってきている人はいたし、上まで来たらサクッと引き返して下山していった。あれ、もう1本とか流すんだぜきっと。

歩いてみた感じでもあの峠はレベル高い。都内からは行くのが大変だけど、いい練習コースだと思う。行くのが大変といっても、ヤビツまで小田急で行くよかは自走もできるしいいのかなと。

相変わらずぶっ飛んだ、そしてシンプルでわかりやすい漫画だが、描かれる自転車そのものや細かいパーツやアクセサリを見てニヤニヤするのが楽しい。作者の人、ほんとロードバイク好きだしわかってるなぁ・・・って感じ。

彩湖エンデューロは楽しそうね、そういうイベントあったら出てみたいぞ。普段昼間に走ると人が多くて危ないし。忍者はいないけど。

anaaki-gratin.hateblo.jp
(1年半も経ってないのかこの時から。そしてこの頃はまだ自分フラットペダルだったなぁ・・・)

そして、ロードバイク映画『茄子 アンダルシアの夏』。もう10年以上前の作品。

最近三本ローラー回しながら観ていた。

茄子 アンダルシアの夏 [Blu-ray]

茄子 アンダルシアの夏 [Blu-ray]

ブエルタ・ア・エスパーニャという、自転車レースとしては世界3大レースの1つ。ちょうど今開催されていて、このレースで引退することになっているアルベルト・コンタドールが最後の山岳ステージで見事ステージ優勝を飾り、決めポーズの"バキューン"をやってくれた。今でこそ衰えを見せているけど、数年前のクリストファー・フルームとの激戦は凄かったぞぉ。今回もジワジワと総合順位を上げていった走りはさすがだった。

cyclist.sanspo.com

で、茄子。

ブエルタ・ア・エスパーニャという3週間開催されるレースのとある1日の、更に一部分。主人公のぺぺの地元を通るコースなんだけど、ちょうどぺぺの兄貴がぺぺが兵役中に略奪愛しちゃったぺぺの元カノとの結婚式を挙げる日。結婚式やってる側からすると、自分の式の日に地元を通るステージで弟が世界的なレースを走っている・・・そんな受け止め方であるが、ぺぺ本人としては正直どうでもよくて、むしろ関わるなって感じ。

「どこか遠くへ行きたい」

そのために勝つ。

チームのスポンサーからは従順さがなくて疎まれるような性格であり、チーム内ではゴールを獲るというよりは、エースをアシストする側のポジション。そんなぺぺが、アクシデントによりゴールを獲らなければならなくなっちゃってどーしよ、大変だ。

そんなストーリー。

今はなき公式サイトや、紹介してるブログなんかでは色々と説明がされているけれど、本編では多くは語られない。ぺぺ本人は「はいはい、やりますよ、やればいいんでしょ」って感じだし。弱虫ペダルのような無駄に熱血なものでもないし。

淡々と走り、唐突に与えられたオーダー(お前が勝て、よろしく)を淡々とこなし、ゴールスプリントを戦い抜く。そして「どこか遠くへ行きたい」と願ったかつての自分を思いまた淡々と翌日のレースへと向かう。ここではないどこかを目指して。地元に拘りはなくとも、夜の打ち上げで出された地元名物の茄子の漬物を「こうやって食べるんだぜ」と軽く笑顔でチームメイトに教える。

作中で描かれる事象があったことで主人公ぺぺは何かしらの解放や脱却があるわけでもなく、これまでも、これからもあるであろう積み上がることで"変化"と呼ばれるものになり得る出来事の1つがストーリーとなっているっていう感じ。多くは語られないし、起伏に富んだ何かが主題となっているわけでもない。だから(いい意味で)淡々としているなと感じた。

でもまぁゴールスプリントのシーンは観ていてとてつもなく熱くなったし、ローラーを回す足にも力が入ってしまったよ。

レース展開の描写や、自転車の描写もとてもよい。

この映画、続編があって、舞台は宇都宮で毎年行われているジャパンカップ。これもそのうち観てみようと思っている。あと、ジャパンカップは個人的にコース走ってみたいね。

というわけで、自転車に乗りたい。

現在、DE ROSA IDOLさんは2500kmくらいオーバーホールしないで走っててぼちぼちメカ周りがヤバいし、TIME ZXRSさんはCannondaleって会社が作った悪名高き最悪の規格であるBB30使ってるせいで異音が激しくなっちゃってメンテするまでガチ踏みできないし、赤城山ヒルクライム前に何やってんだかって感じ。