あなたが万能になることが、あなたや組織を優れたものにはしないから
何となく昨日のエントリーの続きというかなんというかなお話です。
最後の方で、「誰か一人が暴走しても、あるいは時間とともにバカになってしまった時にちゃんとそいつを蹴り出せる準備をしておくべきなのだ。」っていう事を書いた。
"スティーブ・ジョブズ"は間違いだ - funny rain, sweet breathing
人が集まった時に、何かをやろうとする時に、僕が前エントリで否定した絶対的な意思決定権を持つ一人とそれ以外っていうのはもしかしたら必要なのかもしれない。迅速な意思決定を簡単に何も考えずに行うのならばね。
でもさ、別に何かを決めるために組織とかを作るわけではないじゃん、普通。
何かをするために人って集まるんだよね?で、何かをやる時に複数人でやるっていうことの意味は、分担なわけ。ボリューム的に一人じゃやれなかったり、自分の得意な範囲ではない部分を他の得意な人にやってもらったり。
そういう視点でも、たった一人のみが最終的な決定権を持つっていうのは僕は好きじゃないのよね。あるいは一人があれもこれもやったりやろうとしたりっていう雰囲気が。
「あなたは、自分とは違う分野で自分よりも優れている人を素直に受け入れますか?」
「あなたは、自分と同じ分野で自分よりも優れている人を素直に受け入れますか?」
言いたいことはこの2つの質問。あとはダラダラと書いていく。
組織を例えばどんどん成長させていこうとした時に、規模を拡大させるためにどんどん優秀な人を取り込んでいく。これからやっていくことに必要な力を持っている人を集めていく。そうやって自分達が成し遂げたいことに必要な各分野の猛者たちが一堂に会す。
しれっと言ったけど、このタイミングで「私は営業ができます、管理もできます、制作もできます。」みたいな事をいう人は正直いらない。いてもいいんだけどさ、「そうか色々できるんだね、じゃあ今回は管理をお願いするよ。」「やだ、全部やりたい。だって全部できるんだもん」っていう人はその場でお帰り願う。そこは素直に頼まれたとこだけやれよって話で。
こういうケースの他に、例えば営業が超得意な人間がそこまで得意ではない、かつ他にもっと優秀な管理スキルを持つ人がいる場合に管理に関して口を挟むっていうのもお帰り頂く。
最近「これからの医者は臨床をやれるだけでなく、MBA持ってたり政策に通じていたり、デザインもできるようになるべきだー」って頑張ってる人を見かけるんだけど、その頑張りとか意識の高さは認める一方で本心では「やめとけ」って思ってる。経営は経営が得意なやつを見つけたらいいし、他の項目もそう。医師っていうそれなりに高スキルが要求される立場を得ているという自負もあるのだろうけれど、だったら他の立場で同じように極めている人が多くいるってことを認めるべきだから。
と、1つ目の質問に関して書いてみた。
2つ目の質問については、これ、例えば数人で何かをやっているような段階から十数人とかになった頃に出てくる話。
何かの目的に対して、それだけの人数が集まってくると絶対に自分がその集団ではトップだと思っていた領域に関して、自分よりも優れている人が入ってくる。
その人を、あなたは受け入れられるか?
「受け入れたら自分の立場がー」って人は、別にプレゼンスを発揮できる分野や立ち回り方を見つけたらいい。万能性は否定したけれど、いわゆる万能でなくったって、一人の人が価値を出せる方法や領域っていうのは複数作れるものだ。
そういえば昔3人で会社作ったことがあったんだけど、半年もたなかったのね。最終的な意思決定権を持ちたくてかつその会社の顔でありたかった代表よりも、僕を含むそれ以外の2人の方が優秀だったのが色々まずかったんだけどさ。若いしまぁやらせるところは自由にやらせて、他をきっちりカバーすることでやっていけるかなーって思ってたんだけど、僕らがカバーしている部分に関して、その彼ができたり想像しうるよりもガッチリやっちゃったらいじけちゃった感じ。
色々勉強や人脈はできたし、200万くらいの借金背負ったくらいで僕は済んだからまぁどうでもいいっちゃいいんだけど。適当に生きているので。
話が逸れた。
「俺さー、デザインはもう任せろって感じなんだけど売ったりするの下手くそだから、自由に営業してきて!! お前めっちゃ営業強いじゃん!! なんか案件取ってきたら、こっちで満足してもらえるものを何でも作ってやるから!!」
とか
「俺、ここの集団で鬼の管理をして自身もあったけど、お前もっと凄いな!!今後はお前に託す!! 俺はどうしようかなぁ・・・〜〜の業界だったら知見もあるし人とも繋がってるから、そっち方面で営業やってやるわ。そこならまだ他には負けないしね。」
とか言う都合よく格好いい人材を集めると、うまくいくんだよ、多分。