意識の高い学生やブラック企業を生む"三方良し"の不幸
事業を始めようとする人や、実際に事業を進めている人が口にする"三方良し"。
「事業を通して自分や顧客、社会がハッピーになることを心がけます!!」
そんなことを宣言するために口にされるようだ(言い方は色々ある)。
・本気でそう思っている人や
・この手の発言をする人を無条件に信じる人
・そこに拘ることで何も事業を作ることができない人
どれも不幸だなと思うし、僕はあまり利害を共有しようとは思わない。
なぜならば彼らはただの八方美人か大嘘つきだからだ。
僕にとって、自分で事業なり何なりを始めるということは突き詰めれば、
「誰かに何かを提供するということは、それを享受できない誰かに背後から刺される覚悟をする」
というところに収束する。
すべての人が対象になる事業、すべての人をハッピーにする事業なんてものはこの世に存在しない。
例えば、"お金が無いけれど健康意識の高い人"を対象に何かをするのであれば、"お金は無いし、健康にも気を遣わない人"は必然的に切り捨てられる。
それでも人は口にする。
「みんながハッピーにならないと」「すべての人に恩恵を」と。
そんな出来もしない幻想的発言に心酔し、FaceBookにいいね!をする。
結局この「みんなでハッピー」という盲信が、"外っ面はいいけど限りなく無能な奴"だけでなく、意識の高い学生やブラック企業を育む土壌になっているんだと心から思う。
意識の高い学生は結局のところ"良い話"に食いついて、自己満足に過ぎない一体感を得られれば満足。ブラック企業は自分達を完璧に見せる外面を作るために、その外面が強固であれば強固であるほどに、割を食って血を流す人数と度合いを見えないところで増やしている。
だから僕が信用をする人というのは、自分が行っている事の限界や範囲を冷静に把握した上で行っている人。
win-win、win-win-winくらいはできるけれど、それが100%カバーしているわけではないということを当然と受け入れている人。
自分が全ての人に何かを提供しなければいけない、という感覚は一体どこから生まれたのだろうというのは個人的には凄く気になるトピック。
これだけ沢山の人がいて、思考もバックグラウンドも異なるのだから無理やり共通項を作ってくくるのは乱暴。だからこそ誰もが、自分が貢献できる範囲を認識した上で、その範囲に対してコミットしたらいいのではないだろうか。
逆に「全ての人に〜」と口にする人は結局背後から刺される覚悟、何かを選択する覚悟ができな人。
あるいは誰からもとりあえず「いいね!」と言われたい八方美人。そして外っ面をキレイに見せるために、裏で多くの人を傷付けている嘘つきだろうと思う。
ディズニーランド、美談に隠されたブラックな実態〜バイトを魔法にかけ無報酬で酷使?
- 作者: 谷本真由美(@May_Roma)
- 出版社/メーカー: あさ出版
- 発売日: 2013/05/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (5件) を見る
「意識高い系」という病~ソーシャル時代にはびこるバカヤロー (ベスト新書)
- 作者: 常見陽平
- 出版社/メーカー: ベストセラーズ
- 発売日: 2012/12/08
- メディア: 新書
- 購入: 2人 クリック: 215回
- この商品を含むブログ (9件) を見る
- 作者: 今野晴貴
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/11/19
- メディア: 新書
- 購入: 3人 クリック: 137回
- この商品を含むブログ (53件) を見る