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知ってるか?世の中って思った通りにしかならないんだぜ?

【ロードバイク】MavicのUST(チューブレス)運用の理想と現実、Cosmic Pro Carbon SL USTを題材に

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買って2ヶ月、週末の外練とレースはこのホイールを使っている。走行距離1500kmってとこかな。

チューブレスの走行時の性能に感動することも有り、いかに世の中の自転車絡みの記事が提灯記事ばっかかと再認識したり、味わい深いホイールである(半分称賛、半分皮肉)。

謳われていることと、自分が遭遇し感じたことについて、ちょうどこんな記事↓見つけたので、比べてみようと思う。
www.cyclowired.jp

サンプルは、自分の持っているCosmic Pro Carbon SL UST 2018前輪と後輪の2つ、タイヤはMavic のYksion Pro USTと、IRCIRC FORMULA PRO TUBELESS Lightであり、特に一般化できる話ではないのだが、世の中のユーザーという母数の中にこういうケースもあるというくらいに思っておけばいいだろう。

開発者はIRCのタイヤをまさかMavic様のタイヤを差し置いて使うライダーがいるだなんて思わないだろうしな。あくまでもMavic様のお作りになられたWTSというシステムに従う者とそうでない者の比較ということで。あと自分、チューブレスは初っていうのも。

力が必要なのはタイヤビードを最後に嵌めるときだけ。

前輪 + Yksion Pro UST: △
後輪 + Yksion Pro UST: ○
前輪 + IRC IRC FORMULA PRO TUBELESS Light: ✕
後輪 + IRC FORMULA PRO TUBELESS Light: ✕
IRCのタイヤはタイヤレバー使ってねーってのはまぁ言われている通りだね。で、WTSとかいう名称でMavic様がお作りになられ「これ使えやゴルァ」というUSTの価値を存分に発揮するイクシオンタイヤだが、前輪だけはまらない。購入時に後輪についていたタイヤを前輪につけようとしてみたが、結果は同じ。結論としてどのタイヤだろうがタイヤレバー、マスト。指が確実にいかれる。

IRCのタイヤは、まず片側のビードをリムに入れることすらできなかったからな。素手だと。

タイヤを嵌めたらサイドのラインが均等に出ていることを確認してください。あとは携帯ポンプでもビードが上がるのです。

前輪 + Yksion Pro UST: ✕
後輪 + Yksion Pro UST: ✕
前輪 + IRC FORMULA PRO TUBELESS Light: ✕
後輪 + IRC FORMULA PRO TUBELESS Light: ✕
→ここは必ずしも✕ではなく、上がるケースもある。それはイクシオンでもIRCでも。ちなみに、よく言われるビードをセンターに落とすというのはちゃんと行っている。が、駄目な時は携帯ポンプどころかフロアポンプでも上がらないし、最終的にCO2インフレーターを使ってビードを上げていた。1回のタイヤ交換に200円ですよ場合によっては。

ビードを外すときはタイヤサイドを横から強く押しこんで外します。

前輪 + Yksion Pro UST: ○
後輪 + Yksion Pro UST: ○
前輪 + IRC FORMULA PRO TUBELESS Light:: ✕
後輪 + IRC FORMULA PRO TUBELESS Light:: △
→純正USTペアの良さをまともに実感した。 IRCのタイヤは、ちょっと手が滑ったりしたらリムとかスポーク破壊するんじゃないか?くらい力をかけても前輪はタイヤが外れなくなった。後輪はどうにか外せた。

最近IRCがどうしても外せなくて、前輪IRC、後輪イクシオンとかなっちゃってる。地味に困っている。

USTではリムを製造する時に、我々の設定した規格通りの数値になるよう厳密に、そしてタイヤ側も規格通りの数値で、リムとのマッチングを徹底的に追求しました。

→それにしては自分の持っているやつは、前輪と後輪で全く別物なんだけどな・・・。Mavic様は器が大きく(その割には海外通販を狂ったように排除しようとしているが)検品通る基準も幅がひろいのかな。前輪と後輪でリムが同じものと仮定すると(リムの作り分けなんてしないよね?)、自分の持っている2つのリムだけでも個体差があるように感じるし、去年自転車屋さんで「ほら簡単に作業できるんだよー」って見せてもらったものとも差がある気がする。やっぱあれですかね、デモンストレーション用やメディア用には"想定通り"のはまりかたをする個体をしっかり検品して用意しているのだろうか。

「タイヤレバーフレンドリー」も私達が開発においてスタートラインとしたひとつでした。もっとも、タイヤレバーが必要なシーンはほとんど無いはずですが。

→ タイヤレバー無しには生きていけません。Mavicのイクシオンもあったほうがいい

そもそもUSTって、クリンチャーみたくちょくちょくタイヤを変えるとか考えてはいけないのだろうか。クリンチャータイヤとは比べ物にならない低圧で乗れる、常用空気圧の基準が変わるなとは思ったのだが、運用についても変えないとなのかもしれない。

練習用とかレース用とかの使い分けはやりにくくなる。たまにしかレース出ないのであれば、1週間前から格闘すればどこかで指がボロボロになるのと引き換えに付け替えられるのかもしれない。タイヤは寿命まで変えない外さない、となると程々に耐久性があって程々に軽いタイヤというあたりを選んである程度の妥協で使うしか無くなる。

こういう側面があるから、女子供でも携帯ポンプでもどうにかなると謳うUSTタイヤに関して、「自分でのタイヤ交換はできません、1年に1度来店して(ネットよりも高いタイヤ代と工賃払って)下さい」とか書く自転車屋が出てくるということか。マジでそんなことをブログに書いている自転車屋があったんだよね。

ということで、全く走るという事に関して触れないUSTとなると、光の側面だけでは自分の場合はない。積りに積もるストレスでいったらさっさと新しいうちに売り払って他社のカーボンクリンチャー買おうかと真剣に考えるくらい。

いくらパンクしにくいとはいえ、一番怖いのは遠出した先で酷いパンクをした時か。外れないタイヤ、リカバリで例えば中にチューブを入れて走ろうにもはまらないタイヤとシーラントまみれの手。こうなると悲劇度はクリンチャーよりも大きい。

替えチューブを万が一用に持ち、1回使い捨ての修復用のスプレー(多分ガスとシーラント的液体がぶちこまれる)、IRCのタイヤレバー。これがチューブレスタイヤで走りに行くときに持っていくグッズであろう。

中に入れているシーラントの働きで止血できないレベルのパンクが起きた時はつらみ。いくら滅多に起きないだろうといったって、ワーストな可能性に備えない・考慮しないというのは何事であっても愚かだからね。


あ、ちなみに乗り心地は確かに良いよ。Continental Supersonic + ラテックスチューブに匹敵するくらいで、それ以外のクリンチャータイヤとチューブの組み合わせよりは良いのではないかと思う。あくまでも主観だけど。チューブラーは知らない。空気圧は5.8barとか入れてるから、衝撃吸収性あたりは犠牲になっている数値なのだろうか。そもそも気にしたことがないんだけどさ。

走ったらかなり良い、メンテナンスは運次第で普通か最悪。チューブレスの性能と可能性をなんとなく信じつつも、まだ人類にチューブレスは早いんじゃないかとか思わなくもない。ロードバイク用のチューブレスとしては随分と"まとも"になったのがMavicのUSTだとすると、もう一皮くらいむけてくれないかなと。

「レースも練習も同じタイヤで構わないし、半年とか1年に1回タイヤ新品に変えたらいいやー面倒くさい」っていうスタンスだったらとても有りなグッズかもしれない。

あと「うるせー、どんだけ準備等が面倒くさかろうが、走る性能が良ければそこが本質じゃねーか」って言い切れる人も、UST使っちゃっていいんじゃないかな。自分はどうしても運用という観点も考えてしまうから、そこまで割り切れないのだけれど。

じゃなかったら、「よく走る、いいぞこれ。」でこの記事は終了している。

【Mavic Cosmic Pro Carbon SL USTをサイクリングエクスプレスでチェック】