funny rain, sweet breathing

知ってるか?世の中って思った通りにしかならないんだぜ?

最新のビルに込められた、話題の時代遅れデザインを見てきた@虎ノ門ヒルズ

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トラエモンと東京タワー
まさかのドラえもんをキャラクターに起用した、森ビルの新しいビルである虎ノ門ヒルズ。

ここ、2014年10月19日現在、公式WebがUIもUXもクソ喰らえな最低最悪のデザインと使い心地で、ストレスがとにかく貯まる・・・そんなところもニヤニヤと眺めていたんだけどね、虎ノ門ヒルズ。

近未来さを演出するには色々残念すぎるだろっていうのが、虎ノ門ヒルズ目の前が通勤経路な一般ピーポーの無責任な感想。

森ビル株式会社の森稔さんの本は、非常に興味深く読んだ記憶がある。

ヒルズ 挑戦する都市 (朝日新書 200)

ヒルズ 挑戦する都市 (朝日新書 200)

都市デザインとしての一連のヒルズや、例えばアークヒルズ建築のための地元住人との交渉の話などから伺える森氏の哲学は、参考になるとかではないが感銘を受けた。

まぁあの手の建築がもっとコモディティ化するには時間が掛かるし、自分も生きてないだろうなーっていう諦めはあるけれどね。

で、話は戻って虎ノ門ヒルズですよ。

虎ノ門ヒルズの正面(?)なエリアの話。

虎ノ門ヒルズへの長い道《05》〜トラのもんの出迎え〜 - まっしゅ★たわごと

こちらの記事の最後の部分なんだが、

ちなみにこのアトリウムはステップガーデンとほぼ同じ傾斜角度を持って階段状のフロアを形成している。いちばん下の床が2階でいちばん上の床が3階となっていて、これも建築に興味のない人にとってみればこの上なくややこしい空間形成となっているし、各ステップ毎には段差解消機があるのだが、やはりそれでも高齢者・車椅子利用者・大きな荷物を持った人・ベビーカーを押している人たちにはこの上なく使いにくそうな構造になっていた。バリアフリー法上は適正なんだろうけれど、なんだかなぁ。。。と言った感じ。

虎ノ門ヒルズの中を見たかった理由は、この段差解消機が3つもついているという場所。段差解消機っていうのは、たまに階段の横に、普通にエレベーターをつけるほどではない/設置できない場所に使われている車いすの方用のエレベーターみたいなやつ。

虎ノ門ヒルズのこのアトリウムと呼ばれるところでは、1つのフロアが大きく3段で構成されている。ガラス張りで外がよく見え、天井も広く、飲食店も面しているいわば一般客が最も訪れるであろう場所だ。

実際はこんな感じになっている。
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階段の横にある透明で四角い空間が段差解消機ね。車いすの方や、そうでなくてもベビーカーを押している方、足の悪い方、それ以外でもでかいキャリアー持っている人とかにだって有効なはずなのよね、動いているなら。

ただ、この場所に限らず日本のどこに行ってもなんだけど、段差解消機で移動したい場合

・脇に付いている内線電話で、警備員を呼ぶ

・延々待つ。大概スグには来ない。30分くらい待たされることも。

・警備員登場、動かす準備が始まる

・警備員が場所によっては2名くらいで対応、動く、他の通行人が結構「あ、動いてる」みたいな感じで見てる

っていう風なフローを辿る。本当にじれったいというか、愚かな運営思想なんだ。こんな手続きを踏まないと利用できないなら、例えば自分が車いすに乗っていたり足が悪かったら行かないだろうなと思う。っていうか警備員に「なんで自由に使わせないんだタコ!!」とか嫌味は言うと思う(彼らも被害者だけどね、そうなったらw)

「ご利用になられる方の安全を・・・」みたいなのを言うわけだが、正直それは運営やデザインに携わる人間の怠惰か何かでしか無いと思う。あるいはネトウヨかその逆サイドかどっちか忘れたけど、その辺のクラスタが好きな"自己責任"てのがこういう場所では機能しない日本人の精神性、そういうのもあるのかもしれない。

で、そんな段差解消機を、3つもつけないといけないようなデザインにした虎ノ門ヒルズ。

思ったのは、なんでスロープにしなかったんだろうなーってとこ。

実際に歩いたけれど、スロープ多分付けられたよ、あそこ。素人目には。だし、ガラス張りでお洒落気取ってようが、建物内の見渡しを意識しているような空間に、この四角い中途半端なハコが3つも視界に入るっていうの、なんとも思わなかったのかなー。

10年前や20年前ならいざしらず、ユーザビリティユニバーサルデザインがこれだけ叫ばれている時代に、近未来的なアピールの仕方で登場した建築物がこれかよwwwっていうのが抱いた感想だった。時代って中々変わらないですね、とういうか時代を作るのも人なのに、それをしょうもないところで足も引っ張っているっていうかさ。

ユニバーサルデザインの教科書 増補改訂版

ユニバーサルデザインの教科書 増補改訂版