線引きがビジネスを成功させることにひねくれて噛み付いてみる
フレームワークっていうのが世の中にはたくさんあって、例えばSTP分析とか言われる考えは、曖昧な顧客っていうものを区切って絞り込み、有効な立ち回り方を決定するっていうので確かに大切である。3C(Company, Customer, Competitor)というフレームに当てはめた情報を元に人や業界を切り分けて、その中から一つの区分に照準を定める。定めた上で4P(Product, Promotion, Price, Place)という観点で自社の立ち振る舞いを決めていく。
まぁこの手の話は色んな本に書かれていたり、Web上に載っていたりするので興味があったら目を通してみると面白いかもしれない。
Webの仕事をするなら最低限知っておくべき戦略フレームワーク×10 | sogitani.baigie.blog
- 作者: 今津美樹
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2013/04/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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顧客を作り売り込むならば、線を引く
毎朝「なんとなく」だるいと思っているひとには
「睡眠障害」という病気を作って提供してあげて下さい
マーケットは自分が病気であることに気づけば
すぐに財布からお金を取り出して治療を始めます
スタートアップの仕事はイケてる薬を作ることではありません
多くの人が「自分のことだ」と自覚できる病気を作り出すことです
秒速でわかる顧客開発 | "Lean Startup Japan"
非常に的を得た例えだなと思ったので引用させて頂いた。
記事のタイトルからわかるとおり、「だけんども・・・」っていう話の流れになるのだけれど、こちらの記事を批判したりとかそういう意図は無い。
種々のフレームワークっていうものもそうなんだけれど、人々が気づかなかった新しい線の引き方・区切り方をして、そこに対して「あなた方はじつは〜〜なんです。そんなあなた達に向けてこういうモノを売っています。」と言う。
新規事業を立ち上げたりする時に考える作戦はザックリ言うとこうだ。
そこまで堅苦しく考えなくても、居酒屋に同性の友達同士で飲みに来るお客さんの集団から特定の年齢層の女性たちを"女子会"として区切れば、ちょっと可愛いサワーとかカクテル、コラーゲン鍋とかを売り込むのに有効かも・・・そんな感じで思ってくれたらいいと思う。
"〜活"とか"〜系女子"とかもそうだね。"年収〜円以上の人のための転職"とかも。
何もないところに線を引くことの意味
一方、線を引くということは、大げさに言ってしまうと誰かを不幸にする行為だ。
線を引くという行為は、自分が何かを提供する対象と提供する気のない(勝手にアクセスはできるかもだけど)相手に、本来区切られていなかった人達を勝手に区切るということ。
あるいは逆に、本当は違ったのに、線を引かれてしまったことで別の側に配置されてしまう人が出てくる。
線引きそのものが、人々に何かを気付かせて、提供されるサービスや商品と共に幸せになる可能性はあるにはあるんだろうけれども。
ビジネスにおいては当たり前のことで、「え、そんな大げさに捉える事でもなくね?」なんだけど、こういう思想がかなりアメリカ的で歴史も深くはないものである(商業的に地域や国をまたいで押し通しているという点でね)という意識は、ニヒルに持っていても損はないと思う。