funny rain, sweet breathing

なんてったって社会不適合者物語

起業とか言うと、社会を変える的なよくわからない責務を負わされる

そういう側面もあるし、醍醐味なのかもしれないけれどね。

世間一般では、独立して起業をするような人をどのように見ているのだろう? 「すごい」と言われるか「なんでそんな道選んじゃったの」と諌められるか、まぁなんだ、かなり両極端である気がする。
起業系のセミナーやその手のイベントに関わっている人らのFacebookの投稿は、根暗で病的なパーソナリティの自分にとっては、完全に吸血鬼に浴びせる紫外線である。ポジティブすぎて。一方で現実世界で話していると「お前そろそろ先を考える歳だろ」とか言われる(一応、自分も自分で事業を立ち上げて食っていこうとしている)。多分僕が失敗したら、「ほら見ろ」と言われるのだろうなと思っている。

ネット上でもリアルでも、起業をする人に対する反応はどこいってもこんな感じだろうな。

そして本題。
起業という道を選んだ人はこぞって「社会を変える、良くする」みたいな話をするわけだ。そう声高に発信するし、世の中もそういうもんだと受け止めて、ある種の胡散臭さや熱狂が生まれる。自分の中ではこれがメインストリームで、でも自分はそのメインストリームにはいないな〜と思っているのでその辺を書いてみようと思う。

起業家が社会を変えるわけ

既存の会社を抜けだして、自分で事業を立ち上げるのならば、それはゼロベースの信頼からマーケットに評価されなければいけない。で、既存の企業がやっていることを「僕らはもっと凄くしました!!」っていうのは中々通用しない。歴史も規模も違う既存の企業と比べて、ぽっと出てきた個人や小グループが優っていると思う人は少ないし現実いないのだろう。同じことを同じようにしていたら、ベースの体力が違う既存企業に喰われるのは避けられないし、マーケットも既存の企業を選ぶだろう。

となると必然的に、何か新しいことをしなくてはならない。
「こんな技術があるんだけど、新しい使い道閃いた」
「こんな不満を人は持っているのに、それを解決するものが存在しない」
みたく。

こういうモチベーションでやっていると、上手くいけば自然と何かを変える結果に落ち着く。人もお金も集まるのは、この結果が世の中にプラスの何かをもたらす場合だ。

というか、今やられていない何かを実行することで世の中を良くすると思っている人がその手段として起業を選ぶというのが普通だろう。

でも起業は選択肢の一つ

じゃあ起業は、社会を変えたいとかそう思っている人だけがやったり、そういう人達だけのものなのだろうか?

起業のモチベーションは何も、社会を変えるっていう意思だけではないと思う。"そうせざるを得なかったからそうした"という人だっていくらでもいるのだから。学費を稼ぐために、突然勤務している会社を離れなくてはいけなくなった、そういう理由で起業した人を何人も僕は見ている。生活のための起業だっていくらでもあるわけだ。自分もそうだし。

つまり、バイト・就職・起業・・・そんな感じに、お金を稼ぐ手段としては同類と見てしまったっていい。世の中就職を選ぶことがマジョリティーではあるけれど、僕らが働く年数(60〜70年くらい?)よりも会社の寿命の方が短いのだから、今の人が人生で2つ以上の会社で働くことは変な話ではない。リストラもあるしね。そういう時に、就職という選択肢以外として起業を持てる事が大切なんじゃないかと思う。その為には起業というものにまとわりついている、社会的使命だの崇高さだのの熱狂が洗い落とされる必要があると思うけれど。

起業に崇高さを求めることの息苦しさ

就職とはまた違うリスクがあるとはいえ、起業というのも所詮生きていく上での選択肢の一つだ。そしてそれを選ぶ背景も多種多様だ。だから、社会を変える起業家像ばかりを追い求めたり、スポットライトを当てたりするのはなんか違うんじゃないかと思っている。壮大なポジティブさは、SNS疲れ、特にFacebook疲れに似たものを起こしてしまうんじゃないかと危惧している。

また、投資した会社がIPOしてくれないとペイできないVCなんかは、とにかく時価総額を上げるようにプッシュする。その為には「革新を」「生活を変えるようなインパクトを」っていうプレッシャーに創業者を晒し続けてしまうし、そういうもんだと世間に広めて回る。

年収600万で今の会社では頭打ちかもしれないけれど、そんな人が自分で起業をして仕事をしたら年収800万くらいになるかもしれない。それはその人にとっては正しい選択だし、生き方の一つだと思う。別に社会を変えるとか、次のAppleFacebookになろうなんて思わなくてもいいんじゃないかな。

むしろ起業という選択肢がそういうものとして自然になってくれたら嬉しい。

自由をつくる自在に生きる (集英社新書 520C)

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